ワークマンのレインウェア(イナレム、イージスなど)の洗い方は、中性洗剤で弱い水流か手洗い、脱水はかけず、日陰で干して、仕上げに低温のアイロンか乾燥機の熱で撥水を戻す、この流れで足ります。「レインウェアは洗わないほうが長持ちする」と思っている人が多いのですが、逆です。汗と皮脂と泥が付いたままだと撥水が落ち、蒸れて中がびしょびしょになり、1シーズンで買い替えることになります。
ワークマンの公式の手入れ案内、クリーニング店の解説、洗濯の専門サイト、実際に洗って撥水を測った検証記事を合わせて5本読み比べ、洗う理由、用意する物、洗い方、干し方、撥水の戻し方、やってはいけないこと、保管まで、初めて洗う人が迷わないところまで書きます。
なぜ洗うのか。汚れが撥水を落とし、蒸れを増やす
撥水と防水は別物。落ちるのは表面の撥水
レインウェアには2つの仕組みがあります。生地の表面で水を玉にしてはじく「撥水」と、生地の裏の膜が水を通さない「防水」です。洗って落ちるのは表面の撥水で、防水の膜は洗っても残ります。撥水が落ちると、表面に水がべたっと広がって生地が水を含み、汗の蒸気が外に出られなくなって中が蒸れます。「雨は入っていないのに中がぬれる」のは、撥水が落ちて蒸れている状態で、防水が壊れたわけではありません。
洗う頻度。汚れたら、または雨が玉にならなくなったら
通勤や自転車で毎日着るなら月に1回、週末だけなら2〜3か月に1回が目安です。見た目が汚れたとき、袖口や襟が黒ずんだとき、雨が表面で玉にならずに広がるようになったとき、この3つのどれかが出たら洗い時です。シーズンの終わりにしまう前の「しまい洗い」は、汚れを残したまま半年置くと撥水がさらに落ちるので、必ず行います。
用意する物は4つ。中性洗剤、ネット、厚いハンガー、当て布
- 中性洗剤:おしゃれ着用のエマールやアクロン。ボトル裏の「液性」が「中性」なら使える。普通の弱アルカリ性の洗剤は撥水を傷めるので使わない。防水ウェア専用のニクワックス テックウォッシュならさらに安心
- 洗濯ネット:生地の擦れとファスナーの引っかかりを防ぐ。ウェアが入る大きめの物
- 厚みのあるハンガー:肩の形を崩さずに干す。針金のハンガーは肩に跡が付く
- 当て布とアイロン、またはドライヤー:撥水を熱で戻すのに使う。乾燥機が使えるウェアなら乾燥機でもよい
柔軟剤と漂白剤は用意しません。柔軟剤は生地の表面に膜を作って汗の蒸気が抜けなくなり、漂白剤は防水の膜を傷めます。
洗い方の手順。洗濯機なら弱水流で脱水なし
- 洗濯表示を見て、洗濯機のマークにバツが無いか、手洗いのマークかを確かめる
- ポケットを空にし、泥はブラシで払い、襟と袖口の黒ずみに中性洗剤の原液を少し付けて指でなじませる
- ファスナーとマジックテープを全部閉じ、裏返してネットに入れる
- 洗濯機は「おしゃれ着」「ドライ」など一番弱いコースにして、中性洗剤を表示の量の半分から通常量、水は30℃までのぬるま湯か水
- すすぎは2回以上。洗剤が残ると撥水が戻らないので、泡が出なくなるまで流す
- 脱水はかけない。ネットごと取り出し、手で押して水を切る。バスタオルで挟んで押すと早い
一番大事なのは脱水をかけないことです。レインウェアは水を通さないので、脱水で洗濯槽に張り付いて水が中にたまり、洗濯機が大きく揺れて止まったり、倒れたりします。どうしても脱水したいときは、30秒以内の最弱設定で、他の衣類は入れません。手洗いなら、洗面器に30℃までのぬるま湯を張って中性洗剤を溶かし、押し洗いを5分、すすぎを2〜3回、水を押し出して終わりです。においが気になるときは、40℃までのぬるま湯に30分つけてから洗いますが、50℃以上は縫い目の防水テープの糊が溶けるので使いません。
干し方。日陰で裏返し、ファスナーは開けて
厚みのあるハンガーに掛けて、風通しのよい日陰に干します。直射日光は生地と防水の膜を紫外線で傷めるので当てません。まず裏返して内側を乾かし、乾いたら表に返してもう一度干します。ファスナーは全部開け、フードは広げて、袖の中に空気が通る、腕を軽く開いた形にします。乾くまで半日から1日かかり、生乾きのまましまうとにおいとカビの元になるので、内側の縫い目まで触って乾いているのを確かめてからしまいます。
撥水を戻す。低温のアイロンか乾燥機の熱で復活する
撥水は熱を加えると戻ります。ワークマンのウェアに使われている撥水剤は、熱で表面の向きがそろって水をはじく力が復活する仕組みです。洗濯表示でアイロンが使えるなら、当て布をして低温(110℃まで)のドライで、生地を滑らせながら全体に当てます。スチームは使いません。乾燥機が使える表示なら、低温で20分ほど回すのが一番手軽です。どちらも使えない表示なら、ドライヤーの温風を20cm離して全体に当てます。これで戻らないときは撥水剤の出番で、ニクワックスのTX.ダイレクトなどのスプレーを、乾いた生地に30cm離して均一に吹き、そのあとにまた低温の熱を当てます。
撥水スプレーは、洗って汚れを落としたあとに使うのが順番です。汚れの上から吹いても、汚れごと剥がれてすぐに落ちます。
やってはいけない5つ
| やってはいけないこと | 起きること |
|---|---|
| 脱水をかける | 洗濯槽に張り付いて水がたまり、洗濯機が揺れて止まる、倒れる |
| 柔軟剤を使う | 表面に膜ができて汗の蒸気が抜けず、蒸れる |
| 漂白剤、弱アルカリ性の洗剤を使う | 撥水と防水の膜が傷み、戻らない |
| 直射日光で干す、50℃以上の湯を使う | 生地が紫外線で傷む。縫い目の防水テープの糊が溶けて剥がれる |
| 汚れたまま、ぬれたまましまう | 撥水がさらに落ち、カビとにおいが出る。防水の膜がべたつく |
この5つのうち、一度で取り返しがつかないのは漂白剤と50℃以上の湯です。撥水が落ちたのは熱と撥水剤で戻せますが、防水テープが剥がれた縫い目からは雨が入り、直すには補修テープが要ります。
イナレムとイージスで違うところ
ワークマンのレインウェアは、透湿の高い「イナレム」と、防寒も兼ねた「イージス」が中心です。洗い方は同じですが、気を付ける点が少し違います。イナレムは生地が薄く伸びるので、ネットに入れて弱水流を守り、アイロンは必ず当て布をします。イージスは中綿や裏地が付いた物があり、乾くまで1〜2日かかるので、裏返して干す時間を長めに取ります。どちらも、洗濯表示に「乾燥機」のマークがあるかどうかで、撥水を戻す方法が乾燥機かアイロンかに分かれます。
保管。乾かして、たたまずに吊るす
シーズンが終わったら、洗って完全に乾かしたあと、厚いハンガーに掛けてクローゼットに吊るします。たたんで押し入れに入れると、折り目に防水の膜のひび割れが出て、次のシーズンにそこから雨がしみます。ビニールの袋に入れると湿気がこもってべたつくので、入れるなら通気性のある不織布の袋にします。使う前に一度広げて、袖口や縫い目にべたつきや剥がれが無いかを見てから着ると、雨の日に困りません。
ワークマンのレインウェアは、中性洗剤で洗って熱で撥水を戻す
ワークマンのレインウェアの洗い方は、中性洗剤で弱水流か手洗い、すすぎは2回以上、脱水はかけずに手で水を切り、日陰で裏返して干し、低温のアイロンか乾燥機の熱で撥水を戻す、の流れです。柔軟剤と漂白剤と直射日光と50℃以上の湯を避ければ、防水の膜は傷まず、撥水は熱と撥水剤で何度でも戻せます。月に1回の洗濯で、1シーズンで買い替えていたレインウェアが3年持ちます。
まず、手元のレインウェアの洗濯表示を見て、乾燥機のマークがあるかどうかを確かめてください。それで撥水を戻す方法が決まり、次の雨の前に洗い始められます。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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