クローゼットから出したダウンジャケットの襟が黒ずんでいて、家で洗えるのか迷っているところだと思います。洗濯表示に水洗いのマークがあれば、家の洗濯機か浴槽で洗えます。失敗のほとんどは洗い方ではなく、干し方で起きます。洗う前に見る表示、洗濯機と手洗いの手順、日陰で2〜3日かける干し方、ふくらみを戻すたたき方、やってはいけないことまで書きました。読み終わったら、晴れが続く週末に1着洗って、ふくらみを戻せます。
洗える印は桶のマーク。×とファーが付いた物は店へ
洗う前に、内側のタグの洗濯表示を見てください。桶に手のマークか、桶に数字のマークがあれば家で洗えます。桶に×が付いていたらクリーニング店に出します。桶の下の横線は、1本なら弱く、2本ならとても弱く洗う印です。
| 表示 | 意味 | 家でできること |
|---|---|---|
| 桶に手 | 手洗いができる | 浴槽で押し洗い。脱水だけ洗濯機 |
| 桶に数字(例:30) | その水温以下で洗濯機が使える | ネットに入れて弱いコース |
| 桶に× | 水洗いできない | クリーニング店へ |
| 四角に丸、点1つ | 低い温度で乾燥機が使える | 低温で30〜40分 |
| 四角に丸、× | 乾燥機は使えない | 日陰で自然に乾かす |
表示が洗えるとなっていても、家で洗わないほうがいい物があります。リアルファーが付いた物、革やウールが使われた物、表地に防水加工がある物です。防水の生地は水が中に入ったまま抜けず、脱水のときに洗濯機が大きく揺れます。
高いブランドの物や、登山用の高いフィルパワーの物も、店に出すほうが確かです。家で洗ってぺちゃんこになると、元に戻すのに手間がかかります。クリーニング店の料金は、ダウンジャケットで2,500〜6,000円くらいが多いです。
洗濯機はネットに入れておしゃれ着コース
洗濯機で洗うときの決まりは3つです。ネットに入れる、おしゃれ着用の中性洗剤を使う、いちばん弱いコースで30度以下の水にする。この3つを守れば、羽毛の油分が抜けず、生地も傷みにくいです。
- 襟と袖口の黒ずみに、中性洗剤の原液を付けて、スポンジで軽くたたきます。皮脂は1回の洗いでは落ちないので、ここだけ先にやります。
- フードが外せる物は外して別に洗います。ファスナーとボタンを全部閉めます。
- 汚れた面を外側にしてたたみ、大きめの洗濯ネットに入れます。ネットの中で動かないように、ぴったりの大きさを選びます。
- おしゃれ着コース、手洗いコース、ドライコースなど、いちばん弱いコースを選びます。水温は30度以下です。
- 洗剤はおしゃれ着用の中性洗剤だけを使います。粉の洗剤、漂白剤、柔軟剤は入れません。
- 脱水は短くします。1分回したら止めて、中の羽毛を手でほぐし、また1分。これを2〜3回に分けます。
- 終わったらすぐに取り出します。濡れたまま洗濯機に置くと、においとカビの原因になります。
ドラム式や縦型に「ダウンジャケットコース」が付いた機種もあります。パナソニックの案内では、1枚800gまでの容量の決まりがあり、防水加工や革の付いた物は洗えません。コースがある機種は、そのコースの説明書に従ってください。
手洗いは浴槽で押し洗い20〜30回
洗濯機のコースに不安がある人は、手洗いのほうが確かです。羽毛は水に浮くので、洗濯機では中まで洗えないことがあります。浴槽か大きな桶にぬるま湯を張り、沈めて浮かせる押し洗いを20〜30回やれば、もむ必要はありません。
- 浴槽か衣装ケースに30度以下のぬるま湯を張ります。水4Lに対して、おしゃれ着用の中性洗剤10mlが目安です。
- 襟と袖口に原液を付けて、スポンジで軽くたたいておきます。
- ファスナーを閉めてたたみ、水に沈めます。沈める、浮かせる、を20〜30回繰り返します。もんだり、こすったりはしません。
- 汚れが強いときは、10〜15分そのまま浸けておきます。
- 水を替えて、同じ押し洗いで10〜15回すすぎます。泡が出なくなるまで、2〜3回繰り返します。
- 両手で押して水を抜きます。ねじって絞ると羽毛の軸が折れます。
- ネットに入れて、洗濯機で1分だけ脱水します。ほぐしてもう1分、を2〜3回に分けます。
洗剤は、おしゃれ着用と書かれた中性洗剤だけを使ってください。食器用の洗剤も中性ですが、羽毛の油分を落としすぎます。ダウン用の専用洗剤があれば、油分を残しながら洗えるので、羽毛のふくらみが戻りやすいです。
干し方は日陰で平干し。2〜3日かける
干し方で仕上がりが決まります。風の通る日陰で、平干しネットに広げるか、2本の竿にまたがせて干し、2〜3日かけて中まで乾かします。直射日光は生地の色をあせさせ、羽毛も傷めるので当てません。
脱水が終わったら、すぐに干し場に運びます。濡れたダウンは重いので、細いハンガーに掛けると肩が伸びて形が崩れます。ハンガーを使うなら、肩の厚い物にして、袖の中まで風が通るように広げてください。
乾くまでの目安は、薄手で1日、厚手で2〜3日です。手のひらで挟んで水気を感じなくなっても、中の羽毛はまだ湿っています。乾いたと思った日から、もう1日は干し続けてください。生乾きのまましまうと、においとカビが出ます。
部屋干しのときは、扇風機かサーキュレーターの風を当て続けてください。除湿機があれば一緒に使います。風が動かない部屋に置くと、乾くまでに4〜5日かかり、その間ににおいが付きます。梅雨や冬の湿った時期は、晴れが2〜3日続く日を選んで洗うのが確かです。
ふくらみを戻す。半乾きでほぐし、乾いたらたたく
洗った直後のダウンは、羽毛が固まってぺちゃんこです。これは乾けば戻ります。半乾きになったら固まった羽毛を指でほぐし、乾き切ったら両手で挟んで軽くたたいて空気を入れます。この2段階で、ふくらみはほぼ元に戻ります。
順番を間違えないでください。濡れたまま無理にほぐすと、羽毛の軸が折れて、生地の外に抜けやすくなります。半乾きになるまでは触らず、2〜3時間おきに様子を見て、固まりが動くようになってからほぐします。
乾いたら、縦と横に軽く振ってさばき、両手で挟んでたたきます。片寄った羽毛が全体に広がって、洗う前のふくらみに近づきます。それでも戻らないところは、もう一度水で湿らせて、乾かし直すと直ります。
乾燥機が使える表示なら、最後の30〜40分だけ低温で回すと、いちばんふくらみが戻ります。テニスボールか乾燥用のボールを2〜3個一緒に入れると、回りながら羽毛をほぐしてくれます。高温は生地と羽毛を傷めるので、必ず低温にしてください。コインランドリーの乾燥機を使うなら、中温以下に設定します。
ねじる、こする、日に当てる。やってはいけない6つ
ダウンが戻らなくなる原因は、ほぼこの6つです。ねじって絞る、もんでこする、漂白剤や粉の洗剤を使う、長く脱水する、直射日光に当てる、濡れたままほぐす。どれも羽毛の軸を折るか、油分を抜くか、生地を傷めます。
- ねじって絞らない。羽毛の軸が折れて、細かくなった羽毛が生地から抜けます。
- もんだり、こすったりしない。汚れは押し洗いとスポンジのたたきで落ちます。
- 漂白剤と粉の洗剤を使わない。粉の洗剤には酸素系の漂白剤が入っている物が多いです。
- 脱水を長く続けない。羽毛が片側に寄って、戻すのに時間がかかります。
- 直射日光に干さない。色があせて、生地が硬くなります。
- 濡れたまま羽毛をほぐさない。半乾きになってから触ります。
においが残ったときは、乾くまでに時間がかかりすぎたのが原因です。洗い直して、扇風機の風を当てるか乾燥機で早く乾かしてください。ぺちゃんこのままなら、乾きが足りていません。固まりをほぐして、もう1日干します。
晴れの日を選んで1着洗ってみる
ここまで読んだら、洗う日と手順は決められます。晴れが2〜3日続く週の初めに、表示を見て、ネットと中性洗剤で洗い、日陰で平干しする。この流れを1着で試してください。1着うまくいけば、次からは迷いません。
洗うのは、シーズンの終わりに1回で足ります。着ている間に襟や袖口が汚れたら、そこだけ中性洗剤を付けたスポンジでたたいて、濡れたタオルで拭き取ります。全部を洗うのは、しまう前の1回にしてください。
しまうときは、完全に乾いたことを確かめてから、圧縮袋には入れずにゆったりと掛けます。圧縮すると羽毛がつぶれて、次のシーズンに戻りにくくなります。日の当たらない、湿気の少ないクローゼットに入れて、月に1回は扉を開けて風を通してください。
表示に×がある、ファーや革が付いている、高いブランドの物、この3つはクリーニング店に出します。それ以外は、家で洗って、干し方に手間をかければ、店に出したのと近いふくらみに戻ります。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
X(旧Twitter)




