シーズンの終わりに、汗と焚き火のにおいが染みた寝袋をどうするか。家の洗濯機に入らないからコインランドリーに持ち込みたいが、縮んだり中綿が固まったりしないかが心配、という人向けの記事です。
先に答えを書くと、化繊の寝袋はコインランドリーで洗え、ダウンの寝袋は洗濯機に入れず家で手洗いして乾燥機だけ借ります。モンベルの洗濯案内、コインランドリー機器メーカーのTOSEI、アウトドアメディアの解説をもとに、洗える寝袋の見分け方、化繊の手順、ダウンの扱い、乾燥の決まり、料金と頻度の順に書きます。
コインランドリーで洗えるかは、中綿の素材と洗濯表示で決まる
寝袋の中綿は、ポリエステルの化繊、ダウン(羽毛)、ポリウレタンの3つに分かれます。化繊は洗濯機で洗える製品が多くコインランドリーに向き、ダウンは洗濯機の使用が基本的に不可、ポリウレタンは水と熱で加水分解が進むので洗いません。どれも、まず内側のタグの洗濯表示を見て、桶のマークに×が無いことを確かめます。
| 中綿 | 家の洗濯機 | コインランドリー | 乾燥機 | 洗剤 |
|---|---|---|---|---|
| 化繊(ポリエステル) | 手洗いコースで可(表示による) | 可。ネットに入れる | 表示で可なら低温。不可なら陰干し | 中性洗剤 |
| ダウン | 不可。手洗い | 洗濯機は不可。乾燥機だけ借りる | 低温で短時間ずつ | ダウン専用洗剤 |
| ポリウレタン | 不可 | 不可 | 不可 | 拭き取りのみ |
TOSEIの案内では、テントのように撥水加工された物は脱水で水が抜けず機械を壊すので持ち込めません。寝袋でも表面に撥水加工がある製品は、店の注意書きで可否を確かめてください。
化繊の寝袋をコインランドリーで洗う手順
手順1 家で泥を落とし、ファスナーを閉じて裏返す
泥や焚き火の灰が付いたままだと洗濯槽を汚し、汚れも落ちません。乾いた状態でブラシで払い、ひどい汚れは家で部分洗いしてから持ち込みます。ファスナーとベルクロを全部閉じ、裏返して大型の洗濯ネットに入れると、生地とファスナーが傷みません。
手順2 寝袋1つでも大型の洗濯機を選ぶ
寝袋は水を含むと重く、小さい機械では回らず洗い残しが出ます。冬用の寝袋なら1つでも15kg以上の大型機、夏用でも10kg以上の機械を選び、詰め込まないのが決まりです。2つ以上を一度に洗うと、すすぎが足りず洗剤が残ります。
手順3 コースは手洗いか標準の弱水流、洗剤は中性
化繊の中綿は家庭用の中性洗剤で洗えます。多くのコインランドリーは洗剤が自動で入るので、そのまま標準コースの弱めで構いません。柔軟剤は中綿の保温力を落とすので使いません。乾燥まで一体の「洗濯乾燥コース」は、洗濯表示でタンブル乾燥が可の製品だけに使ってください。
手順4 乾燥機は表示で可なら低温、不可なら持ち帰る
ここが分かれ道です。モンベルとアウトドアメディアは化繊の寝袋に乾燥機を使わないよう案内し、TOSEIは洗濯乾燥コースを可としています。手元の寝袋のタグにタンブル乾燥のマークがあれば低温で20〜30分ずつ、×があれば脱水だけで止めて持ち帰り、陰干しにしてください。
手順5 家で1週間、風通しのよい日陰で吊るす
乾燥機を使っても、中綿の芯には水分が残ります。ファスナーを全開にして、日陰の物干しに吊るすか、すのこの上に平らに広げて1週間ほど乾かします。完全に乾いてから、軽くたたいて中綿をほぐしてしまいます。
ダウンの寝袋はコインランドリーの洗濯機に入れない
ダウンの寝袋は、洗濯機の水流で羽毛がかたよって保温力が落ちるうえ、コインランドリーは洗剤が自動で入るのでダウン専用洗剤を使えません。モンベルの案内では、ぬるま湯にダウン専用洗剤を溶かし、ファスナーを閉じた寝袋を浴槽に沈めて足で優しく踏み洗いし、水が濁らなくなるまですすぎ、絞らずに押さえて水を切ります。一般の洗剤は羽毛の油分を奪うので使いません。
乾燥だけはコインランドリーの乾燥機が役に立ちます。低温に設定し、5〜10分ごとに止めて取り出し、手でたたいて羽毛のかたまりをほぐしながら乾かします。かけすぎは羽毛を傷めるので、7割ほど乾いたら持ち帰り、日陰で1週間吊るして仕上げます。初めてダウンを洗うなら、クリーニング店やメーカーの洗濯サービスに相談する方が安心です。
乾燥でやってはいけないこと
- 高温の乾燥機にかけない。化繊は溶けて固まり、ダウンは羽毛が傷む
- 絞らない。羽毛と中綿の偏りが戻らない
- 直射日光で干さない。生地とダウンが劣化する
- 生乾きでしまわない。カビと臭いの原因になる
- 圧縮袋や付属の小さい袋で長期保管しない。通気性のある大きい袋に入れる
料金と時間の目安、洗う頻度
コインランドリーの料金は店で違いますが、大型の洗濯機が1回1,000〜1,500円、乾燥機が10分100円前後で、30分回せば300円ほどです。洗濯から乾燥まで店で1時間半、家での陰干しに1週間を見ておくと、次のキャンプに間に合わなくなることがありません。
洗う頻度は、アウトドアメディアの案内で30〜50泊に1回が目安です。月に1〜2回のキャンプなら年1回、シーズンの終わりに洗ってからしまえば、翌年の出し始めに臭いが出ません。使うたびの手入れは、帰宅後にファスナーを開けて風を通すだけで足ります。
寝袋の洗濯でよくある疑問
家の洗濯機の容量は何kg要る?
夏用の化繊なら7kg以上、冬用なら10kg以上が目安です。入っても回らないと洗えないので、洗濯槽の7割以下に収まる大きさかを見て、超えるならコインランドリーに持ち込みます。
撥水が落ちた気がする
洗うと表面の撥水加工は弱くなります。乾いた後に撥水スプレーを表地にかけると、結露で濡れにくくなります。中綿には吹き付けません。
臭いだけ取りたいときは洗わなくてよい?
汗の臭いだけなら、風呂場でぬるま湯のシャワーを内側にかけて流し、陰干しで乾かすだけでもかなり落ちます。洗剤を使わないので中綿への負担が少なく、シーズン中の応急処置に向きます。汚れが生地にしみているときは、上の手順で洗ってください。
化繊はコインランドリーで洗い、ダウンは家で手洗いする
寝袋の洗濯でコインランドリーを使うなら、化繊はネットに入れて大型機で弱く洗い、乾燥機はタグでタンブル乾燥可のときだけ低温で使い、家で1週間陰干しします。ダウンは洗濯機に入れず、ダウン専用洗剤で浴槽で踏み洗いし、コインランドリーの乾燥機を低温で短時間ずつ借りるのが正解です。
持ち込む前にタグの洗濯表示を1回見る。それだけで、縮みと中綿の固まりのほとんどは防げます。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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