テントを買ったあとに「タープも要りますよ」と言われて、何が違うのか分からないまま迷っていませんか。タープは寝る場所ではなく、日差しと雨をよける屋根だけの布です。テントだけで足りる場面と、タープを足したほうがいい場面は、はっきり分かれます。この記事を読み終わるころには、自分のキャンプにタープが要るかどうかと、最初の1枚に選ぶ形が決められます。
タープとは屋根だけを張る布のこと
タープは、1枚の布をポールとロープで持ち上げて、日差しと雨をよける屋根にする道具です。壁も床もなく、屋根だけを作るのがタープです。英語のTarpは防水シートという意味で、雨をしのぐことが本来の役目です。
キャンプ場では、テントの前や横に張って、椅子とテーブルを置く場所にします。食事をしたり、昼寝をしたり、雨の日に外で過ごしたり。テントが寝室なら、タープはリビングの屋根にあたります。
形は六角形や長方形が多く、大きさは2人用の220×240cmから、家族向けの420×420cmくらいまであります。重さは軽い物で1kg前後、大きな物で5kg前後です。ポールとロープとペグは別売りの物も多いので、買うときに付属品の欄を見ておいてください。
テントとタープの違いは床と壁の有無
いちばん分かりやすい違いは、床があるかどうかです。テントには床と壁があって中で眠れますが、タープには床が無いので寝る場所にはなりません。この一点で役目が分かれます。
テントは布を2枚重ねて空気の層を作り、雨と風と寒さを防ぐ作りです。耐水圧もタープより高く、夜の冷え込みや朝露から体を守ります。荷物や着替えをしまう場所としても使います。
タープは布が1枚で、風通しと見通しがよいのが持ち味です。日中の暑さや小雨を避けながら、外の景色を見て過ごせます。その代わり横から吹き込む雨は防げず、夜に寝る場所として使うと寒くて危ないので、テントの代わりにはなりません。
| 項目 | テント | タープ |
|---|---|---|
| 役目 | 寝室 | リビングの屋根 |
| 床と壁 | ある | 無い |
| 雨への強さ | 横なぐりの雨も防ぐ | 上からの雨だけ防ぐ |
| 向く時間帯 | 夜 | 日中 |
シェードと呼ばれる物も見た目は似ていますが、日よけ専用で雨には耐えられない物がほとんどです。海や公園で日中だけ使うならシェード、キャンプで雨も考えるならタープと分けて考えると迷いません。
テントがあってもタープが要る場面と要らない場面
テントを持っていても、タープが要るかどうかは場面で決まります。日中を外で過ごす夏のキャンプと、雨の予報があるキャンプはタープが要ります。逆に、木陰の多い林間サイトで、前室の広いテントを使うなら、最初はタープ無しで足ります。
タープが要る場面
- 7月から9月の芝生や河原など、木陰の無い場所に泊まる
- 雨の予報が出ているのに、料理や食事を外でしたい
- 家族や友人と4人以上で、テーブルを囲んで長く過ごす
- デイキャンプやバーベキューで、テントを持っていかない
タープ無しで足りる場面
- 林間サイトで、日中も木陰がある
- 前室にテーブルと椅子が置ける2ルームテントを使う
- 春や秋の晴れの日に、寝る以外は外を歩き回る
- ソロで、食事は短く済ませてテントの中で過ごす
初めてのキャンプなら、テントだけで1回行ってみるのも手です。そのとき「日中に日陰が無くて困った」「雨で外に出られなかった」と感じたら、次からタープを足してください。困りごとが分かってから買うほうが、形と大きさを選びやすくなります。
タープの種類は5つで最初はヘキサが扱いやすい
タープは形で5つに分かれます。最初の1枚は、ポール2本で1人でも張れるヘキサタープを選んでおくと、失敗が少ないです。それぞれの違いは次のとおりです。
ヘキサタープ
六角形の布で、メインポール2本とロープで張ります。いちばん流通量が多く、ソロから家族まで使えます。張り方を変えて日陰の向きを調節しやすく、テントとの組み合わせも収まりがよい形です。
レクタタープとスクエアタープ
長方形または正方形の布で、メインポール2本にサブポール4本を足して張ります。日陰の面積がいちばん広く、4人から5人以上のグループ向けです。ポールとロープが多いので、設営には2人いたほうが楽です。
ウイングタープ
ひし形に近い小さな布で、ポール2本で張ります。軽くて荷物が小さく済むので、ソロや徒歩のキャンプに向きます。日陰が小さいので、2人以上ではきゅうくつに感じます。
スクリーンタープ
屋根に加えて、メッシュの壁が4面に付いています。虫の多い夏や、周りの視線が気になる場所で使いやすい形です。重さは8kg前後の物が多く、車で行くキャンプ向けです。
ワンタッチタープ
骨組みと布が一体になっていて、広げるだけで立ちます。設営は5分ほどで、運動会やバーベキューで見かける形です。風に弱く、収納も大きいので、ペグを打てる地面ではロープでの固定が欠かせません。
人数と天気で決めるタープの大きさと耐水圧
形が決まったら、大きさと耐水圧を人数と天気で選びます。2人なら300cm前後、4人家族なら400cm以上の一辺があると、テーブルと椅子を置いても雨の吹き込みを避けられます。
大きさは人数と置く物で決める
人数だけでなく、テーブルと椅子とクーラーボックスを置く広さも足して考えます。ワンタッチタープの目安は、2m四方で3〜4人、2.5m四方で4〜5人、3m四方で5〜6人です。ヘキサタープは角が切れている分、同じ一辺でも日陰は少し狭くなります。
耐水圧は1,000mmから2,000mmが目安
耐水圧は、布がどれだけの水の圧力に耐えるかを表す数字です。小雨なら500mm、ふつうの雨なら1,000〜2,000mm、強い雨まで考えるなら3,000mmが目安になります。数字が高いほど布は重く硬くなるので、夏の晴れが多いなら1,500mm前後で足ります。
夏は遮光と焚き火の相性も見る
日差しの強い時期は、遮光率やUVカット率の記載がある布を選ぶと、日陰の温度が下がります。焚き火を近くでするなら、難燃と書かれた素材の物を選んでください。ふつうの化学繊維の布は、火の粉が1つ付くだけで穴が開きます。
張るときに気をつけたい風と焚き火
タープで起きる困りごとは、ほとんどが風と火です。風の強い日は張らない、焚き火はタープの外でする、この2つを守れば大きな事故は避けられます。
タープは布が1枚で面積が大きいので、風を受けると帆のように引っ張られます。ペグはロープに対して斜めに打ち、風上側を低く張ると、あおられにくくなります。天気予報で風速が5mを超える日は、無理に張らずにテントの前室で過ごしてください。
雨の日は、布に傾きをつけて水がたまらないようにします。片方のポールを低くするか、布の真ん中にロープをかけて引くと、水が流れます。水がたまると布が伸びて、ポールごと倒れることがあります。
焚き火は、タープの真下では絶対にしないでください。火の粉は2〜3m飛ぶので、タープの端から3m以上離した場所で火をおこします。撤収のときは、布を乾かしてから畳むと、カビとにおいを防げます。
- 風速5m以上の予報なら張らない
- ペグはロープと反対向きに斜めに打つ
- 雨の日は布に傾きをつける
- 焚き火はタープの端から3m以上離す
- 帰ったら乾かしてから収納する
最初の1枚を決める前に区画の広さを測る
ここまで読んで、タープが要ると感じた人は、買う前に1つだけ確かめてください。いつも行くキャンプ場の1区画の広さを調べて、テントとタープとロープが収まるかを見ておくと、当日に張れない事態を避けられます。
ヘキサタープは、一辺420cmの布でも、ロープを両側に1.5mずつ張り出すので、7m四方ほどの場所が要ります。区画が8m×8mのキャンプ場なら、テントを横に置くと少しきゅうくつです。区画が10m×10m以上なら、テントとタープを並べて張れます。
区画が狭いときは、テントの入り口にタープの端をかぶせて張る「小川張り」という方法があります。テントとタープの動線が短くなり、場所も節約できます。ただし張り方に慣れが要るので、2回目以降のキャンプで試すのが現実的です。
タープはテントの代わりではなく、日中の過ごしやすさを足す道具です。テントだけで1回行って、困ったことがあったらヘキサタープから始める。この順番で進めれば、使わない大きな布を買ってしまうことはありません。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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